君に、振り向いてほしいから
僕は首を横にふると、nightの奴らを見た。

殴りにかかっても良いけど、ここでやったら迷惑がかかる……。

誘導するか。

「凪、行くぞ。海、瑠花を頼んだ」

「分かった」

僕と波はnightの一人に軽くぶつかり、そのまま外に出た。

予想通り、奴らは怒りながら僕らを追いかけてきた。

出てくる奴らを倒し、最後の一人を倒そうとしたところで、nightのリーダー・羽宮嵐(うみや あらし)が瑠水ちゃんを抱いて外に出てきた。

しまった……。病室まで行くとは思わなかった……。

瑠水ちゃんはぐったりと気を失っている。

「止まれ、水潮。こいつは俺らがもらった」

「おい、羽宮!瑠水に何をした」

「落ち着けよ、波。俺はking(キング)の命令に従っただけだ」

羽宮はいたずらっぽく笑って、後ろに控えていた副総長・森本樹(もりもと いつき)に合図を送り、その場を去った。

森本は僕たちが倒したnightの奴らを回収し、同じように去っていった。

後ろから、海が駆け寄ってきた。

「凪、瑠水ちゃんは?」

「羽宮が……」

「やっぱり。あいつら、瑠花ちゃんのことも連れて行こうとして……。俺が戦っている間に、瑠水ちゃん連れていきやがった」
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