君に、振り向いてほしいから
私がしたいこと……。
「琵琶湖に、行きたいです」
最後に行く場所は、琵琶湖がいい。
最後に見る景色は、あの日見た琵琶湖がいい。
凪さんは優しく頷き、部屋を出ていった。
しばらくして戻ってきた彼は、すぐに壊れそうな笑顔をしていた。
「外出許可もらってきたよ。今すぐ行こう」
言った途端、凪さんは私の荷物をまとめて私を車椅子に座らせた。
でも、座ってばっかりは嫌だ。
車椅子からそっと腰を浮かす。
その途端、凪さんが驚いたように目を瞠った。
「立てるの……?」
「えへ……。凪さんと歩きたくて、頑張りました」
凪さんは嬉しそうに微笑み、私の手を取って病院の外に出た。
凪さんについて電車に乗り、琵琶湖へ向かう。
あの日と同じように、夕日で照らされた琵琶湖を見たあと、夜ご飯を食べて病院に帰った。
「楽しかったです、ありがとうございました」
凪さんと分かれ、私は眠りについた。
……2日後の午後3時、私の心臓は静かに動きを止めようとしていた。
駆けつけてくれたみんなの顔を見回す。
night、cosmos、Luciferのみんな。
りみかやももかちゃんたち、お父さんとお母さん。
瑠花、璃空にい、波先輩、海さん。
一人一人の顔を見回す。
私の横では、泣きそうな表情をした凪さんが私の手を握っていた。
「……大好き、だよ、凪」
私の言葉を聞いた途端、彼の目から涙が溢れた。
「みんな、今、まで、ありがとう……」
最後に凪さんに微笑み、私はそっと目を閉じた。
「琵琶湖に、行きたいです」
最後に行く場所は、琵琶湖がいい。
最後に見る景色は、あの日見た琵琶湖がいい。
凪さんは優しく頷き、部屋を出ていった。
しばらくして戻ってきた彼は、すぐに壊れそうな笑顔をしていた。
「外出許可もらってきたよ。今すぐ行こう」
言った途端、凪さんは私の荷物をまとめて私を車椅子に座らせた。
でも、座ってばっかりは嫌だ。
車椅子からそっと腰を浮かす。
その途端、凪さんが驚いたように目を瞠った。
「立てるの……?」
「えへ……。凪さんと歩きたくて、頑張りました」
凪さんは嬉しそうに微笑み、私の手を取って病院の外に出た。
凪さんについて電車に乗り、琵琶湖へ向かう。
あの日と同じように、夕日で照らされた琵琶湖を見たあと、夜ご飯を食べて病院に帰った。
「楽しかったです、ありがとうございました」
凪さんと分かれ、私は眠りについた。
……2日後の午後3時、私の心臓は静かに動きを止めようとしていた。
駆けつけてくれたみんなの顔を見回す。
night、cosmos、Luciferのみんな。
りみかやももかちゃんたち、お父さんとお母さん。
瑠花、璃空にい、波先輩、海さん。
一人一人の顔を見回す。
私の横では、泣きそうな表情をした凪さんが私の手を握っていた。
「……大好き、だよ、凪」
私の言葉を聞いた途端、彼の目から涙が溢れた。
「みんな、今、まで、ありがとう……」
最後に凪さんに微笑み、私はそっと目を閉じた。