君に、振り向いてほしいから
瑠花ちゃんのその言葉に、胸が高鳴るのを感じた。

でも……。どうして、瑠花ちゃんがそんな人たちと知り合ってるのかな?

「……紹介しますね。私の隣から、花塚月紀(はなづか つき)花塚陽暉(はなづか ようき)汐見翠(しおみ すい)さん、中島琥珀(なかじま こはく)さん、珠木璃空(たまき りく)です」

あれ?珠木って……?

瑠花ちゃんは僕の疑問を察したように頷いた。

「皆さんご察しの通り、珠木璃空は私の兄です。ね、璃空にい?」

璃空さんは頷くと、まっすぐ僕らを見つめた。

「一つ、いいかい?」

「はい」

「俺と翠と琥珀は、スパイとしてnightに入るんだよね」

……え?

開口一番に告げられた言葉に、思わず固まってしまう。

瑠花ちゃんを見ると、彼女は小さく頷いた。

「それで、おそらくnight(俺ら)Lucifer(君たち)は、戦うことになるだろう。その時は、手加減しないよ。それでも良い?」

ゆったりとした口調だけど、言っていることは結構きつい。

瑠水ちゃんを助けられるのなら、僕は何でもする。

気づくと僕は、波よりも先に璃空さんに向かって頷いていた。

璃空さんが満足げに微笑む。

「では、そういうことで。璃空にいたちは、ななほちゃんについて行ってください」

ななほ?雲母(きらら)さんのことかな?

彼女は、nightだったはずなんだけど……。

「ななほちゃんも、私が入学する際にnightに送り込んだスパイです」

「皆さん、安心して私についてきてください」

璃空さんたちは戸惑いつつも、雲母さんについて行った。
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