センチメートル
3 広瀬くん



いつものように部活に出る。
部長からは何も言われなくて、すこしびっくりした。
無断欠席した人は、いつもこっぴどく怒られているのに…。



「おはよう、皆川」


「あ…おはよう、広瀬くん」



いつものように明るく声をかけてきたのは広瀬くんだった。そういえば広瀬くんにメールを返していなかった。



「昨日どうしたんだよ、あれから返信なくて。」


「ごめん…体調悪くて寝てた!」


「皆川が体調悪いなんて…槍でも降るんじゃない?」


「ちょっと!レディに失礼じゃない?」


「ははっ!いつもの皆川だ」


「え?」


「さっき、すげー暗い顔してたよ、皆川。元気だせよな!皆川らしくないよ」



そういって、倉庫の方に走っていってしまった。
やっぱり、広瀬くんは優しいな。
広瀬くんの笑顔は、すごくいやされる。あれだ、広瀬くんは、天使だ!で、慎吾は堕天使。

ああ、どうして私は堕天使を好きになってしまったのだろう。

慎吾のことを忘れるために、私は無心になって走った。



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