目の前の快楽に
翌朝、一条くんから連絡が入っていた



“今日一緒に学校サボろ”



これはお誘いということでいいのかな?



まあ一日くらいいいだろう



いいよと送信する



すぐに既読がついた



“迎えに行く”



あれ、家教えたことあったっけ?



不思議に思っていると横から声が掛かる



「今日は誰と遊ぶの?」



「んー、まあいろいろ」



いつの間にか起きていたらしい



相手は少し傷ついた顔をしながら言う



「またやろーね」



もちろんそのつもり



だけどこの人はすぐ切らなきゃかも



私に恋愛感情を持たれたら困る



決して自惚れているわけではないが、実際過去に何度かあってめんどくさいことになった



私に恋愛感情を抱いてる人は大体わかる



遊びくらいの感覚が丁度いいのに



私の場合、恋愛感情は行為の邪魔になるのだ



相手が求めているのと私が求めているのが違ってくるから



食い違う



早々に見切りをつけなければ



私は学校を休む旨を伝え、彼を送り出した
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