ハーフ☆ブラザー 突然出てきた弟に溺愛されてます!
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「ねぇ。さっき……お父さんの部屋にいた時……僕の中に、《誰か》見てなかった?」
「……え?」

心地よい疲労の中、うつぶせになって、まどろんでいた。
半身を起こしている大地を、寝転んだまま振り返る。

「誰か……って……?」

訊かれているのは私で、大地が何を言っているのかも理解しているのに。
私は、はぐらかしてしまった。

そんな私の心中を見透かしたように、大地は微笑んだ。

「昔……付き合ってた人、とか……?」

いたずらっぽく口元をゆるめる。私は思わず身を起こした。

「あのね、大地……」
「───僕は、その人に、似てる?」

穏やかな眼差しに、責める色は浮かんでいないのに、私は息苦しさを感じた。激しく首を横に振る。

「全然、似てないわよっ」

大地はいきなり噴きだした。

「……だよね? まいさんが僕を選んでくれたのは、僕がその人に似てないから。
もっと言っちゃうと、その人にないものを、僕がもっていたから」

違う? と、大地は首を傾けて、私をのぞきこんだ。

そんな風に言われて、驚くと同時に、納得してしまう自分がいた。

確かに、大地の言う通りだった。あの男にないものを、大地はもっていた。

「……なんで、解ったの?」
「簡単だよ。まいさんは、口にする言葉と、心で思っていることが、あべこべだったりするから」
「───は?」

眉を寄せた。
大地の言っている意味が、解らなかった。

大地はふふっと笑った。

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