ハーフ☆ブラザー 突然出てきた弟に溺愛されてます!
だけどソレは、生温かく……しかも、ボディシャンプーで洗っているため、食べ物とは思えないフローラルな香りがするはずで。
解る人には、私がソレを何に使っているかなど、すぐにバレてしまうだろう。

はたして大地は、どう思うのか。

男子高校生だ。ちょっとそのテの知識があれば、ピンときてしまうに違いない。

「あの……」

大地が何かを言いかける。
堪えきれず、大きな声をあげ、さえぎってしまう。

「あーっ、ゴメン! えっと、見なかったことにして? じゃっ!」

あ然としている大地の手から、引ったくるようにして例のブツを奪い、足早に自分の部屋に戻った。

………なんてこった………。


*****

ハァーッ。気まずい……。

ベッドにうつ伏せになって、さっきの大地の顔を思いだす。あきらかにとまどって、対処に困っていた。

そりゃそうだ。
たとえ女の性欲処理の実態を知っていたとしても、現実を目の当たりにして、言えることなどないだろう。
逆に、私が大地の立場でも、そうだ。

もう一度、大きく溜息をつく。
もっとちゃんと、用心しておけば良かったと、後の祭り的なコトを考える。

───コン、コン。
部屋がノックされ、びくっとして扉の方に目をやった。

「あの……まいさん? もう寝ちゃった……?」

ためらいがちに開いたドアに、あわてて顔を伏せる。ベッドに大地が、近づいてくる気配がした。

「……あの、さ」

ベッドの端が沈む。大地がそこに腰を下ろしたのだろう。
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