ハーフ☆ブラザー 突然出てきた弟に溺愛されてます!
私のロッカーの反対側にいた従業員(たこ焼き専門店の子だ、確か)に挨拶し、ソムリエエプロンのポケットから、ロッカーの鍵とスマホを取り出す。

マナーモードにしてあったスマホを解除して、バッグの内ポケットに押しこんだ。

今日、何度目か分からない、溜息をつく。

……何が問題かって、自らの性欲を押さえきれず、なおかつ、気持ち良いと思ってしまったことだろう。

なんで、気持ち悪い、じゃ、なかったんだろう?
だって、弟とだよ?

仮に、百万歩くらい譲って、弟ってことを抜きにしても、出会って間もない高校生なのに。

───なのに。

大地とは……最初から違和感なくて、身体中に快感が広がっていってた。

───……ん?
これが俗にいう『淫乱』ってヤツなのか、ひょっとして。

今まで、付き合った男以外とそういう雰囲気になったことないから
(言いたくないけど、私は彼氏以外の男の前じゃ色気ゼロだし)
自覚がなかっただけで、実は私ってヤツは、そういう流れにもっていかれると、誰とでもイタしてしまう女なのか───?

ベストをハンガーにかけながら、自分の思いつきに首を振る。いやいやいやいや……!!
そんな馬鹿なこと、あるわけがない!!

───だけど。
……大地とのコト、無かったことになんて、できないよね……。

でも、一回くらいなら、気の迷いってことで、
「ギリギリセーフだよ」
とか、誰か優しく言ってくれないかなぁ……。

───って!
そもそも誰に言ってもらおうっての、私!
誰にも言えないって時点で、すでにアウトなんじゃんか!

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