ハーフ☆ブラザー 突然出てきた弟に溺愛されてます!
意地悪く思い浮かんだ言葉は、大地に届いたのだろうか。心の声を、口にだしたのかどうかは分からない。

私は夢中で大地にしがみついて、身体を寄せて、大地を身内に受け入れていたから。

「……ねぇ、もう一回……言ってよ」
「何よ、もう……!」

突き上げられる情熱の塊に身体を震わせて、快感に身もだえながら、大地の耳にささやく。

「好き……もっと、して……」
「───ごめん。聞かなきゃ、良かった……っ……イカせる前に、イキそう……」

艶っぽいあえぎ声が、渇いた笑いを漏らす。言うわりに、余裕そうな表情が、小憎らしい。

「……じゃあ、もう二度と……言わな───」
「……冗談だから。つれないこと……言わないで、ね?」

皆まで言わせずに私の唇をふさいで、大地は片目をつむる。私は大地の片頬をつねって、それで許してやることにした。

*****

コンドームをティッシュにくるんで、くず箱に捨てる。
横目で大地の動きを追っていた私は、早めにポリバケツに中身をあけ替えなきゃと思った。
……何かの弾みで父さんに見つかったら、シャレになんないし。

リビングのソファーを背にして、大地と二人、互いの身体を支え合うようにして寄り添っていた。

どちらともなく伸ばされた指先が、絡み合う。大地の体温は心地よく、離れがたかった。
振りきるように、口を開く。

「……のど、渇かない? 飲み物とってくるから」
「んー……まいさんが口移しでくれるなら、僕の分は、いいよ」

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