ハーフ☆ブラザー 突然出てきた弟に溺愛されてます!
「もうっ! バカじゃないのっ、あんたっ!」

たまらなくなって、勢いよく立ち上がってしまう。キッと大地をにらみつけた。

「えっ? なに、まいさん───」

ぎょっとして私を見上げる大地の頭を、力いっぱい抱きしめる。
腕のなかで、びくりと大地が震えた。

「私ずっと……前から言おうと思ってたんだけど。あんたって、甘えたのわりに、人に気ぃ遣いすぎなのよ。

お母さんとのことだって、あんたがどうしても、お母さんとセックスしたくてしたのなら、この際、別に、どーでもいいんだけど。
そうじゃなくて……それしか方法がなかったっていうなら、そんな物分かりよくなくたって、いいじゃない。

あんたの大事なお母さんを悪く言ってなんだけど、こんな時くらい、
『あの節操無し女め!』
とか言っても、バチ当たらないでしょ。
ってか、私は言うわよ? 自分で自分に突っ込むもん!」

大地が失笑を漏らした。

「……まいさんらしいね」
「笑いごとじゃなくて。大地は、まだ未成年でしょ? コドモよ、コドモ。
周りの大人に、もっと甘えていいんだから。少なくともね──」

腕を広げて、大地の瞳をのぞきこむ。

「私や父さんは、あんたが私達に『何か』してくれなくたって、ちょっとくらいの甘えなら、許容できるわよ? そのくらいの度量は、二人ともあるんだから。
もちろん、あんたが自発的に何かしてくれたなら、それはそれで嬉しいし、喜ぶけど」

私の言葉をかみしめるように、大地は小刻みにうなずいてみせた。

「うん……わかった……」
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