ハーフ☆ブラザー 突然出てきた弟に溺愛されてます!
「はい? 別に、フツーだと思うけど……」
「そうですか? サイズ、訊いてもいいですか?」
「え? えと……C、だけど。ね、フツーでしょ?」

こっぱずかしいと思いつつも、正直に答えてしまう。

私は多香ちゃんに弱かった。
140センチ台と背が小さく、黒目がちの大きな瞳と合わさって、小動物を思わせて可愛いのだ。

長いまつげをパチパチとさせ、多香ちゃんは私を見上げてきた。

「そうなんだー……もう少しありそうに見えたけど……。でも、フツーに大きいですよ!」
「そ、そっか……」
「──おはようございます。店長、2時から会議ですよね? 売り場、替わりますね」

アルバイトの松浦さんが、POSレジの出勤パネルをタッチしながら声をかけてきた。

……助かった……。

ショッピングセンター内のテナント店長が一堂に集まる店長会議は、月に一度ある。
多香ちゃんとの気まずい会話から逃れるように、私は、センター内の会議室へと向かった。

*****

仕事を終え家に帰ると、まるで自分の家のように(あ、昨日から、この子にとっても自分ちになるのか)リビングでくつろいでいた大地くんに、お帰りなさいと迎え入れられた。

「えぇと……僕、まいみさんのこと『お姉さん』て、呼んだ方がいいのかな?」

彼が用意してくれた夕食──オムライスとオニオンスープを、二人で食べていると、いきなりそんなことを訊かれた。

や、無理。
確かに半分は血が繋がっているのかもしれないけど、ムリ。
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