ハーフ☆ブラザー 突然出てきた弟に溺愛されてます!
「ねぇ、それでも、いい? 僕がまいさんを、好きでいても。
僕を……受け入れてくれる?」
「──あんた、やってることと言ってることの、順序が逆よ」

おおげさに溜息をついてやる。うつ伏せになって、両ひじをついた。

「いまさら、なに言ってんの? アイスキャンディはもういらないって、大地が言ったんだからね。責任とりなさいよね」

私の言葉に、大地はふふっと笑った。

「うん。そうだよね?
……僕、今まであの人とセックスして良かったって思ったことなかったけど……。
あの経験があったから、まいさんのことを悦ばせることができるんだって、思うんだ。
いろいろ……教わったから」

含みをもたせた言い方に、胸をつかれる。歳に見合わない成熟さの裏側が透けてみえ、悲しくなった。
そんな想いを隠すために、努めて明るく言った。

「そっか。大地はホント、いろんなこと頑張ったんだね」

指を伸ばして、大地の髪を手ぐしで()いてやる。ちょっと笑って、大地が私を見た。

「でも、もういいんだ。まいさんが、いてくれるなら」

身体が引き寄せられる。

「他には、何もいらない……」

吐息のようにささやいた唇が、情熱的に深く求めるように、くちづけてくる。
たやすくくずされた理性に、息を乱して、大地の両頬を抱えこみ、強く求め返す。
くちづけの合間の甘やかなささやきが、互いの欲情を誘うようだった。

「……どうしよう……? なんか、コントロールが効かないんだけど……」

かすれた声で大地が言い、私をのぞきこんだ。
< 60 / 115 >

この作品をシェア

pagetop