ハーフ☆ブラザー 突然出てきた弟に溺愛されてます!
大地を前にしてのあまりの大人げない発言に、たしなめるように声をかける。
隣に座った大地が、私の膝に触れ、軽く首を振った。
とたん、伯母さんの目が、つり上がる。

「何をしているの!? 汚らわしい! 舞美から、離れなさいっ」

ヒステリックな叫びに、私は言葉を失った。何を言われたのか、一瞬、理解できなかった。
……大地がうつむいたのが、分かった。

「だいたい、あなたのその耳、なんですか。男のくせにチャラチャラして……髪は真っ茶っ茶でだらしなく伸ばして……。
そんなことじゃ、まともに就職だってできませんよ。
いったい、どういう育て方をされたのかしら。あきれて物が言えないわ。
まぁ、他人(ひと)の旦那を盗むような、ドロボウ猫の息子ですものね。
そもそも、本当に恭一さんの子かどうか、分かったものじゃ───」
「いいかげんにしてください!!」

我慢の限界だった。

いくらなんでも、いい歳した大人が、高校生とはいえ、まだ親の庇護(ひご)を受ける立場にある子供に対して、言って良いことではないだろう。

「さっきから黙って聞いていれば……大地に想像力がないとでも思っているんですか。
そんな言い方……、世間の目が自分にどう向けられているかなんて、当の本人が、一番よく解っているはずです。改めて彼に突きつける言葉じゃないでしょう?
第一、これはウチの問題です。伯母さんにとやかく言われる筋合いは、ないかと思いますが」

ぷるぷると伯母さんの唇が震えた。目が尋常ではないくらい、血走っている。
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