ハーフ☆ブラザー 突然出てきた弟に溺愛されてます!
「あなたって子は……! それでも祥子の娘なの? 自分の父親が母親を裏切って、よそに女なんかつくって……あげくに子供まで産ませていたのよ? 何を根拠に、こんな子を庇い立てするの!?」
信じられないといわんばかりに首を振り、手にした扇子を小刻みに揺らしながら大地に向ける。
伯母さんの態度に、だんだんと自分の心が冷えていくのが分かった。
身内に、こんな人がいるだなんて、恥ずかしくなってしまう。
「……母さんだったら、父さんに怒りはしても、伯母さんみたいに、大地を傷つけたりしませんよ。
それは『娘の私』が、一番よく解っています」
片腕を伸ばし、大地の手をぎゅっと握りしめる。伯母さんをにらみすえた。
「伯母さんの言う通り、大地の出生までの経緯は、社会的に歓迎されて良いものではありません。
法律上はもちろん、人と人との信頼関係を考えれば、当然のことだと、私も思います。
───ただ、責められるべきは、大地ではないはずです。
大地は……母さんや父さんに守られて、ぬくぬくと育ってきた私からすると、とても恵まれて育ったとは言い難いです。
でも……それでも、大地は素直な良い子に育っているんです。おそらく、伯母さんのいう、『ドロボウ猫』の反面教師からでしょうけど」
「───口ばっかり達者になって。だから三十近くになっても、嫁の貰い手がないんですよ、あなたは」
言い負かされたのを悔しく思ったのだろう。伯母さんは、顔をゆがめて笑った。
私は大きく息をついた。腹に力を入れて、一気に言い放つ。
「……今、タクシーを呼びます。どうぞ、お帰りください。そして、二度と私たち家族に関わらないでください。
伯母さんが大地を受け入れない限り、私たちも伯母さんを拒み続けますので、そのおつもりで」
信じられないといわんばかりに首を振り、手にした扇子を小刻みに揺らしながら大地に向ける。
伯母さんの態度に、だんだんと自分の心が冷えていくのが分かった。
身内に、こんな人がいるだなんて、恥ずかしくなってしまう。
「……母さんだったら、父さんに怒りはしても、伯母さんみたいに、大地を傷つけたりしませんよ。
それは『娘の私』が、一番よく解っています」
片腕を伸ばし、大地の手をぎゅっと握りしめる。伯母さんをにらみすえた。
「伯母さんの言う通り、大地の出生までの経緯は、社会的に歓迎されて良いものではありません。
法律上はもちろん、人と人との信頼関係を考えれば、当然のことだと、私も思います。
───ただ、責められるべきは、大地ではないはずです。
大地は……母さんや父さんに守られて、ぬくぬくと育ってきた私からすると、とても恵まれて育ったとは言い難いです。
でも……それでも、大地は素直な良い子に育っているんです。おそらく、伯母さんのいう、『ドロボウ猫』の反面教師からでしょうけど」
「───口ばっかり達者になって。だから三十近くになっても、嫁の貰い手がないんですよ、あなたは」
言い負かされたのを悔しく思ったのだろう。伯母さんは、顔をゆがめて笑った。
私は大きく息をついた。腹に力を入れて、一気に言い放つ。
「……今、タクシーを呼びます。どうぞ、お帰りください。そして、二度と私たち家族に関わらないでください。
伯母さんが大地を受け入れない限り、私たちも伯母さんを拒み続けますので、そのおつもりで」