ハーフ☆ブラザー 突然出てきた弟に溺愛されてます!

2.親子鑑定

*****

インターホンの呼び出し音が室内に響き、あわてて身繕いをした。父さんが帰って来たのだろう。

「……あんたはあとから来なさいね。父さん、あんたと話したがっていたから」
「うん。分かった───あ、待って」引き止めた大地の指が、私の後ろ髪を()いた。

「これで、大丈夫」
「ありがと」

こそばゆい思いを抱えて笑うと、大地は小さくうなずき返し、玄関の方角を指した。

「早く行かないと」

……そうだった。

父さんは自分で鍵を開けたらしい。
私が玄関マットを踏んだ時には、ゴルフバッグを玄関のたたきに下ろしているところだった。

私を見て、なんだ、と言う。

「寝てたのかと思ったよ。……顔が赤いな」
「あー……うん。ちょっと、うたた寝しちゃって。お風呂入る?」
「そうだな、汗を流したい。大地くんは、起きているかな?」
「うん。起きてると思うよ」

父さんに答えを返していると、大地がやって来た。

「お帰りなさい、お父さん」
「ただいま。風呂から上がったら、話があるんだ。悪いが、もう少し起きていてもらえるかな?」
「はい。待ってます」

大地にうなずいてみせ、父さんはバスルームへと向かった。

父さんの背中を見送って、ふう……と、大地が息をつく。私の耳にささやいた。

「ギリギリセーフだったね」
「ホントよ、もう!」

軽くにらむ真似をして、脇腹をつねってやる。大地の背を押して、リビングへとうながした。
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