ハーフ☆ブラザー 突然出てきた弟に溺愛されてます!
「喉、渇いてない? 何か用意するけど」
「まいさんと同じでいいよ」

キッチンから声をかけると、そんな答えが返ってきた。私は麦茶を入れた。

「ありがとう」

グラスを受け取って、大地は、あのさ、と、続けた。

「昼間の……どこか行きたい所はないかって、話」
「うん」
「あれ、遊園地とかでもいい?」

私は思わず噴きだした。大地が眉を上げる。

「なんで笑うの? 子供っぽいとか、思った?」
「ううん。そうじゃなくて。
大地、どこでもいいって言ってたから
私も何年も行ってないところで、行きたい場所を考えてて。遊園地かなぁって、思ってたから」
「そっか。同じこと考えていたんだ」

顔を見合わせて笑う。
そこへ父さんが、リビングに入ってきた。タオルで髪を拭きながら、私達を見た。

「なんだ? 二人して、楽しそうだな。父さんも、交ぜてくれるか?」
「いいですよ」
「ヤダ」

真逆の反応を示す私達に、父さんは笑うに笑えないといった、複雑な表情をした。
ゆっくりと髪を拭く手を止めて、タオルを首へかける。

「……舞美。何か飲み物をくれるか」
「うん。ビールでいい?」
「いや。真面目な話をしたいんだ。アルコールは入れたくない」
「……分かった。麦茶、持ってくるね?」

言い残して、キッチンへ向かう。

真面目な話、と言った父さんの顔が、怖いくらい真剣だった。
なんか……ヤな感じ。
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