ハーフ☆ブラザー 突然出てきた弟に溺愛されてます!
「……はい。
でも、僕の場合は、血の繋がりを疑っているんじゃなくて……父親と、どう接したらいいのかが、分からないだけなんです」
「───そうか。これは、私の勝手な願いなんだが……」

一拍おいて、父さんが大地を見据える。

「君さえ良ければ……いや、すぐにでなくともいいんだが───DNA鑑定……私との、親子鑑定を、して欲しいんだ」
「ちょっ……」

私は言葉を失った。
大地がウチに来て、何ヵ月も経った今になって、血縁関係に白黒つけるだなんて……。

「分かりました」

動揺を隠しきれない私の隣で、大地は静かにうなずいた。


*****


「バッカじゃないの!」
「えー? まいさんって、ホント僕に馬鹿馬鹿いうよね。ひょっとして、愛情の裏返し?」

ふふっと面白そうに笑って、大地は、さっきむいてあげた父さんからの土産
(ゴルフ場からの帰り道の直売所で買ったらしい)
の梨を口にする。

父さんは、明日早いからという理由で、先に寝室へ行ってしまった。

二人きりになったとたん、正気に戻った私は、大地に思いきり悪態をついた。

「あんたねぇ、今頃になってDNA鑑定したいとか抜かしやがるオヤジに、ムカッとしないわけ!?
『疑うなんてヒドイです』
くらい言ったって、いいと思うわよ!?」
「うーん……でも、実際に子供を産む女の人と違って、男の人ってたとえ結婚していても、自分の子だって実感わかない人、多いらしいよ?
だから、僕やあの人と離れて暮らしていたお父さんが、そう思うのは最もだと思うし。
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