ハーフ☆ブラザー 突然出てきた弟に溺愛されてます!
「そんなこと言っていいの? 僕は欲張りだから、本当に全部、まいさんに望むよ? その時になって嫌だって言っても、僕、聞かないからね?」
「いいわよ。大地が本当に、望むなら」

ゆっくりと、大地が私から身体を離した。

「ねぇ、逆に僕が()いてもいい? まいさんは、僕に、どうして欲しい? 教えて?」

一瞬考えてから、口を開く。

「大地は、大地の望むような大人になって。夢とか希望とか……未来を、ちゃんと描いてね。
私のことは、そういったものの片隅にでも、おいといてくれると、嬉しい」
「うーん。難しいね」

言って、大地は天をあおぐ。
ふうっ……と息をついて、私を見下ろした。

「僕の中心は、まいさんだから。それですべてに対して動きだせる気がするし。それじゃ、駄目?」
「ダメ。嬉しいけど、ダメ。
大地が何かに夢中になって、私のことを忘れたりする時があったら、すごく寂しいけど……ダメだと思う」
「寂しいのに、ダメなんだ?」
「………………他の女に夢中になったら、イヤ」

大地は噴きだした。ふたたび、私を抱きしめる。

「やっと本音が聞けた気がする。……うん、解った」

ところでさ、と、大地が口調をガラリと変えた。

「言いにくいけど……さっきから何人かの従業員の人達に、けっこう見られてたみたい……」

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────やっと、自分がどこにいたのかを、思いだしマシタ。



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