ハーフ☆ブラザー 突然出てきた弟に溺愛されてます!
「そんな乱暴な言い方はされなかったけど……出世払いで、とは言われたかな」
「だったら、そんな顔しないで、素直に甘えときゃいいのよ。
大地が本当に心苦しいと思うなら、立派な大人になって、ちゃんと父さんに恩返ししてやって?
あんたに言われるまでもなく、父さんが底抜けのお人好しだってこと私も知っているから……そうしてくれると、嬉しい」
「……うん」

神妙にうなずく大地に、つくづく甘えるのが下手な子だなと思う。
……変な甘え方は、得意なくせに。

腕を伸ばして、大地の頭を抱き寄せる。

「前にも言ったけど……父さんにも私にも、甘えていいんだからね? あんたには、それだけの権利があるんだから……」
「……うん。分かった。まいさん、ありがとう」

顔を上げて微笑む大地に、愛しさのあまり唇を寄せそうになって、あわてて踏みとどまる。

───淫行条例って、禁固何年くらいになるんだろ……や、罰金刑くらいで済むのかな? ……うーん、済むわけないか、やっぱり。

思いをめぐらせる私の唇に、大地が軽くキスをした。
……ちょっと! 私が思いとどまった意味、ないじゃん!

「あっ、そうだ。お父さんに僕たちのこと、話した方がいいのかな?」

大地が口にした命題に、問題がちっとも片付いてないことを思いしらされた。

どうするんだ、私……。
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