一途な後輩に、秘密に溺愛されてます。
「ねえ咲菜。なんでそんなに年下を勧めるの?」
「なんでもだよ!」
「……?」
これじゃずっとこのままじゃない、とよく分からない言葉は不思議と悲しそうだった。
「てか、悧來はモテるんだからすぐに彼女できるでしょ。いいなあモテる人は。羨ましい」
なぜか彼が入学してから今まで、彼女を見たことがないけれど。
なんせ、モテる人には選択肢が選り取り見取りだから。
そう思っていると、目の前の咲菜が目を見開いたあと、ゆるゆると肩をすくめて呆れたような表情になった。
「え、私何か変なこと言った?」
「ううん……こんの無自覚。だから苦労するんだろーね」
「はい?」
「いーや、こっちの話ー」
「はあ……」