一途な後輩に、秘密に溺愛されてます。
その言葉で、私の何かが吹っ切れた。
「…私、悧來のこと好きだ」
「うん。がんばれ!」
言葉にすると、もっと確信を持てた気がした。
「いやあ、ついにかあ〜。おめでとう!」
「まだ何もしてないんだけど…」
「ぜったい大丈夫!恋奈は自信失いすぎ!恋奈らしくないよ?」
「う、ん…まあ、」
歯切れ悪く答えたあと、咲菜が「あ、そういえば」と何かを思い出したようだった。
「らしくないといえばね、恋奈、卒業式の前忙しそうで相当悩んでたじゃん?」
「?、うん」
そういえば、そんなこともあったような…。
かなり卒業式の準備に追われていたからあんまり覚えてないけど…。
「私、恋奈がやばい倒れる!って悧來くんに相談しに行ったんだよね〜。ほら、恋奈忙しいときは周り見えてないから」
「……う」
図星すぎて、何も言い返せない。
あのとき悧來が言ってくれなかったら、本当に倒れていたかもしれない。
それに…、私の知らないところで咲菜が動いてくれていたことが、なによりも嬉しかった。