一途な後輩に、秘密に溺愛されてます。


以前から、悧來とよく一緒にいる女の子だった。



「……えーと…?」


「す、すみません急に話しかけて…水原 りり、です」



誰かと遊びに来ていて、偶然見つけたっぽい。



……正直、思っていた感じとぜんぜん違う。


もっと強気な子かと思えば、少しおどおどしてるようにも見てとれる姿勢。


でも意思ははっきりとしてるのか、決して私の瞳から目を反らさない。



やっぱりこの子で間違いない。



でも、なんで私に話しかけて来たんだろう…。



「えーと、どうしたの?」


「あの、お願いがあります」



いきなり“お願い”……?


あ…そっか。水原さんは、…悧來のことが好きなんだよね。たぶん。


だから部活とかで関わりが深くて、距離が近い私が近づいてほしくない……とか?



だめだ、こういう考え方しかできないのは何でだろう。


自分が話を広げたのに、どこからか沸く抵抗感が邪魔をする。




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