一途な後輩に、秘密に溺愛されてます。


私にはそこまで才能が備わっていなかったから、家で卑下されたりもしたけど、もう慣れた。



だからこそ、私は“全てが完璧な生徒会長”を演じることができるの。




才能なんて言葉は、嫌いだ。……例外を除いて。



「じゃ、俺もいきます」




流れるように、弓を引いて、当たり前のようにその的の真ん中。

全てが、綺麗。



「……悧來、あんた本当に高校から始めたの?弓道」


「だからそう何回も言ってるじゃないですか。それとも、俺がセンパイの前で弓道で嘘つくように見える?」



「……見えないけど」



見えてしまうくらい、綺麗なの。



この人こそ、神様から選ばれたんだろうなって、見るたびに思う。


ときどき私には、彼が眩しい。





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