一途な後輩に、秘密に溺愛されてます。


さらにかあっと赤くなった彼。


そりゃそうだ。さらっと向葵ちゃんに暴露されてしまったのだから。


よく見ると、成沢くんはやれやれ……という感じで額を押さえている。大変そうだな副会長。


もう収集がついていない。




「……もう、恥ずかしすぎて死ぬ……」


「ちょ、出てこーい西宮ー!」


「ほんと無理……まじで無理……」



西宮くんは耐えきれなくなったのか、机のしたに縮こまって隠れてしまった。


地震に備えるみたいに、ぎゅっと自分の体を丸めて震えている。


さすがに向葵ちゃんも申し訳なくなったのか、「本当ごめんって西宮あ……お願いだから出てきてー」と彼の服の裾を掴みながら叫んでいる。



「ーーふふっ、あはは……っ!」



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