一途な後輩に、秘密に溺愛されてます。
あれは酷かった。私に愛想を尽かしたと言って、別れる前から他の女子と付き合っていたのだから。
はは……と乾いた笑みを浮かべながら、目の前の咲菜にかける言葉を必死で探した。
一応こんな私にも告白してくれるひとは何人かいたから、それなりに自信はあったんだけど……。
ただ告られる回数=フラれる回数になっているだけだった。ポンコツか。
「……怪しいって言ったらさあ」
「うん?」
泣き出しそうな彼女の声が急に恨めしそうな低い声に変わるものだから、私は微妙に話に耳を傾けることしか出来なかった。
じとっとした視線を向けられて、思わずたじろぐ。
「咲菜?どうしたの?」
「どうしたもこうしたもないでしょ!」