一途な後輩に、秘密に溺愛されてます。


「君たち!怪しいの!」


「きみたち?」


「恋奈と、悧來くん!」


「……はあ?」



急に思ってもいない名前が飛び出してきたから、本気で彼女に呆れた声色を返す。


私と悧來?……の



「何が怪しいの?」


「……応援してたのは私だし、もちろん叶ってほしいなあとは思ってたけどさあ。今恋奈を見てたら涙出てくるよお……」


「……いやだから、何の話……?」



咲菜の言いたいことがまるで分からない。


訝しげな視線を少々投げると、苦虫を噛み潰したような彼女が帰ってきた。私が意味分からないよ。



「…二人が弓道場でイチャついてたのを見たって言う部員がいてさあ」


「いちゃ……んん?」



まってまって、なんの話?

実は私たちじゃないとか?見間違いじゃないの?



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