一途な後輩に、秘密に溺愛されてます。
めちゃくちゃ戸惑っている彼女にかくかくしかじかと、ざっくりしたあの時の状況を伝えたら、残念そうな気の抜けた感じで椅子にもたれかかっていた。
なんで残念がるんだか。さっきまで恨めしそうに私のことを見てたのに。
「なあんだ、そっか」
怪我は大丈夫?と聞く彼女は、やっぱり咲菜だなと思いながら大丈夫、と返した。
「いやあ、メンタルぽきっと折られるかと思ったよ。今こんな危機的状況なのに、近くに幸せ者が誕生しちゃったら」
誕生はしてほしいんだけどね、とへらりと笑う彼女に、軽く毒づく。
それ、いつもの私のことだよ。咲菜さん。
「それで?危機的状況の人はどうするの?」
「そうなんだよおーどうしよ……」
やっといつもの彼女が戻ってきたと思いきや、そうではなかったらしい。
ぜったい情緒不安定だな、咲菜。
「今失礼なこと考えたでしょ」