一途な後輩に、秘密に溺愛されてます。
パチンとハートが飛んできそうなウインクは受け止めない。
「……もう恋愛なんてやだ。やめる」
「情緒不安定ですかね恋奈センパイ」
「あんたはもっと私を優しく慰めろ」
「ええ~……それは無理かも」
無理、じゃなくて努力してほしい。
こんなに心が痛んでいるというのに、先輩を慰めようとしないなんて……ほんと可愛くない。
もう私の豆腐メンタルはつぶされてしまった。
「よしよし恋奈~。恋奈はフラれると年齢がマイナス五歳になっちゃうからなあ……」
「毎回付き合わされる俺らも……ねえ」
「そこ!聞こえてる!」
咲菜に頭をなでなでぐりぐりされながら、私の地獄耳は二人のボソッと呟いた言葉をばっちり拾う。
『なんか、恋奈が泣きべそかいてる小学生に見えるわ……不憫』
『ですね……』
誰が小学生だ!