一途な後輩に、秘密に溺愛されてます。
あまりに馬鹿にしたような言い方にカチンときた。
そりゃ、あんたは突っ立ってるだけで良い女がやってくるんだから良いご身分だね。
でも私は自分から行かなくちゃ、見定めなくちゃ、私を本当に理解してくれる人には出会えないの。
ていうか、なんで私悧來と普通に話してるの。
あのときのキスは夢だったのかと疑うくらい、お互い平然としている。
なんだかそれに、少しだけムカついた。
「……とにかく、合コンには行くから」
「っセンパイ」
「なんで悧來が止めるの?あんたに関係ある?」
「……それは、」
彼が言い淀んだ隙をついて、そっぽを向いた。
なんか、私が悪いことをしたみたいだな。
少し後味の悪さを感じながら、昇降口を飛び出した。
「……関係、あるんですって」
ーー小さな呟きは、届かずに空間に静かに溶けていった。