一途な後輩に、秘密に溺愛されてます。


「あ、よく言われます」


「はは、なんかそのズバッとした感じ良いね。恋奈ちゃん好きだわ」


「……そうですか」



“好きだわ”って何?


そんなに軽く言っちゃうものなのかな。


近いし、香水強いし。


いきなり恋奈ちゃんとか言う?


合コンではこういうのが普通なのかな。




「恋奈ちゃん?どうしたの?」


「……いや、少しお手洗いに行ってきます」



部屋を出て思いっきり息を吸うと、呼吸が苦しくなくなった。


だけど、気分は憂鬱だ。



「……はあ」



……やっぱり、合コン行かなかった方が良かったのかな。



『センパイには合コンは似合わないよ』



そうだね。似合わなかったのかも。





「ーーあ、恋奈ちゃん!何か歌わない?」


「……あ、じゃあ…」


「一緒に歌おーよ」



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