一途な後輩に、秘密に溺愛されてます。

別にこの人が悪いことをしたわけじゃない。


ただ、自分に合わないひとだった……それだけ。



掴まれている手首をやんわりと離そうとするけど、しっかり捉えられていて本当に困る。



「恋奈ちゃんと話すのめちゃくちゃ楽しかったから、また会えない?」


「う……えーと、」



まずい、また流される。


本当なんなんだろう自分。


こんな自分、変えたいのにいつまで経っても変えられない。




たぶん、運が悪いとかだけじゃない。



私が私でいられる人に出会えないのは、自分が変わらないからだ。



分かりきった上で避け続けていたことが、今はっきりと自分に返ってきた。




……あーあ、やっぱり合コン、参加しなきゃ良かったなー……。




「ーーセンパイの予定はこの先俺が埋めるんで、そんな時はないですよ」




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