一途な後輩に、秘密に溺愛されてます。
「センパイ、持ちますよ」
「……え、悧來なんで」
「どこまで運べばいいですか?」
「え、生徒会室……だけど」
顔を上げると、そこには悧來の姿があった。
この前の合コン以来で、少し緊張……みたいな、複雑な気持ちが沸き上がった。
とりあえず、荷物を持たせるのは申し訳ないので彼の腕からそれを奪う。
「いや、いいよ。私の仕事だし……っわ」
「ほら、センパイにはこれ重すぎですよ。それにさっきからフラフラしてて、見てて危なっかしいです」
「……でも」
「こういうのは、俺に任せて下さい」
うん、という私の言葉を待つまでに彼は歩き出した。私に持たせる気はさらさらないってことか。
相当重い荷物なはずなのに、それを感じさせないほど軽々しく持ち上げている悧來。
……歳が一つ違っても、やっぱり男子なのか。