100日婚約なのに、俺様パイロットに容赦なく激愛されています
宿題とサングラス。意地悪な彼はまさかの自社パイロット

肩下までのストレートの黒髪がシーツに広がる。
仰向けにベッドに下ろされた和葉(かずは)は、驚きと羞恥の中で上にのる彼を見つめた。
(こ、この状況って)
切れ長の彼の目はいつもは涼しげな印象だが、今は熱を帯びたように艶めいて、隠すことなく大人の色香を全身から醸している。
真顔でじっと見下ろしていた彼は、形のいい唇を薄く開くと、妖艶にペロリと舐めてみせた。
「色気がない? 湯上りのパジャマ姿で言う台詞じゃないな。かなりうまそうだが。惚れた女に欲情しない男はいない」
「ま、待って――」
願いは聞いてくれずに唇を奪われた。
今日は初めてのことだらけで心が疲れているから勘弁してほしいのに、無垢なこの体まで捧げろと言うのか。
(嫌じゃないけど……)
唇や口内にとろけるような攻撃を受けていると、次第に体のあちこちが疼きだす。
愛しい人にもっと愛してほしいという欲求が胸の中で急速に勢力を広げ、気づけば和葉の方からも触れたくなって彼の首に腕を回していた。
してやったりと言わんばかりにニヤリとされても、悔しさより愛しさが勝る。
(マズイ、私じゃないみたいに心も体もおかしくなる。この恋は重症かも……)

* * *

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