100日婚約なのに、俺様パイロットに容赦なく激愛されています
三つのターミナルを持つ日本の空の玄関口、羽田空港が和葉の職場だ。
国内エアラインで三指に入る航空会社、スカイエアライズに入社して五年目の二十五歳。子供の頃からの憧れだった航空整備士として勤めている。
朝八時十五分。社のロゴマークが大きく背中に入ったグレーのカバーオールを着て、肩下までの黒髪をひとつ結びにし、運航整備部の管理棟のパソコンで担当便をチェックしていた。
(今日担当の一機目は那覇便だ。この前、この機体のランディングギアに問題があったから、慎重に確認しないと)
ランディングギアとは地上を走行するためのタイヤがついた、いわば飛行機の脚のこと。
和葉の仕事は到着した航空機を次の出発までに点検整備する〝ライン整備〟と呼ばれるもので、これから触れる機体を思い浮かべると胸がワクワクと高鳴った。
このフロアはコントロールルームと言う。
整備に必要な装備品や工具がスチールラックの棚に整然と置かれている以外、一般的なオフィスと大差ない。
鼻歌を口ずさんで無線機や重たい工具箱を取り出していると、隣に同僚が並んだ。
小柄な和葉より頭ひとつ背が高く、筋肉質でツンツンと髪を立たせている彼は浅見(あさみ)。
三年先輩の二十八歳で、今日はライン整備の同じチームに入っている。
和葉が新人時代の指導担当だったのも彼で、退勤後にふたりで飲みにいくくらい親しいつき合いをしている。
国内エアラインで三指に入る航空会社、スカイエアライズに入社して五年目の二十五歳。子供の頃からの憧れだった航空整備士として勤めている。
朝八時十五分。社のロゴマークが大きく背中に入ったグレーのカバーオールを着て、肩下までの黒髪をひとつ結びにし、運航整備部の管理棟のパソコンで担当便をチェックしていた。
(今日担当の一機目は那覇便だ。この前、この機体のランディングギアに問題があったから、慎重に確認しないと)
ランディングギアとは地上を走行するためのタイヤがついた、いわば飛行機の脚のこと。
和葉の仕事は到着した航空機を次の出発までに点検整備する〝ライン整備〟と呼ばれるもので、これから触れる機体を思い浮かべると胸がワクワクと高鳴った。
このフロアはコントロールルームと言う。
整備に必要な装備品や工具がスチールラックの棚に整然と置かれている以外、一般的なオフィスと大差ない。
鼻歌を口ずさんで無線機や重たい工具箱を取り出していると、隣に同僚が並んだ。
小柄な和葉より頭ひとつ背が高く、筋肉質でツンツンと髪を立たせている彼は浅見(あさみ)。
三年先輩の二十八歳で、今日はライン整備の同じチームに入っている。
和葉が新人時代の指導担当だったのも彼で、退勤後にふたりで飲みにいくくらい親しいつき合いをしている。