100日婚約なのに、俺様パイロットに容赦なく激愛されています
「金城(きんじょう)はいつもやる気の塊だな。休みたいと思う日はないのか?」
「ないです。休んだら愛しい彼に会えないじゃないですか」
「彼氏ができたのか?」
意外そうな目で見られ、小ぶりな胸を張って答える。
「私に恋人は不要。愛しい彼というのは、もちろん航空機です」
子供の頃から航空機愛は誰より強いと自負している。
ドヤ顔で宣言し、自分ではかっこよく決めたつもりだったのだが、途端に呆れ顔をされた。
「そういえば新人の頃の自己紹介でも『私の恋人は飛行機です』と言っていたな。キラキラしたあの台詞、しばらく整備部で流行ったんだよ」
「へぇ、そうだったんですか。私と同じ気持ちの人がたくさんいて嬉し――」
「熱血ぶりを笑われていただけだ。整備士に必要なのは知識と技術と責任感。恋愛感情はいらないな」
「異議アリです。過酷な航空業界で働くには、情熱こそ必要だと思います」
航空整備士なら機体に、パイロットや客室乗務員――CAなら空を飛ぶことに恋しているはず。
そう信じての反論はスルーされ、足早にドアへと向かう浅見の背を追う。
今日は同じチームなのだから置いていかないでほしい。
朝礼は終わっている。準備を整えた整備士から駐機場や格納庫などの持ち場に向かうところなのだが、直属の上司である整備部長の声が響いた。
「みんな、少し待ってくれ」
反射的に足を止めた浅見の背に、顔から突っ込んだ。
「ないです。休んだら愛しい彼に会えないじゃないですか」
「彼氏ができたのか?」
意外そうな目で見られ、小ぶりな胸を張って答える。
「私に恋人は不要。愛しい彼というのは、もちろん航空機です」
子供の頃から航空機愛は誰より強いと自負している。
ドヤ顔で宣言し、自分ではかっこよく決めたつもりだったのだが、途端に呆れ顔をされた。
「そういえば新人の頃の自己紹介でも『私の恋人は飛行機です』と言っていたな。キラキラしたあの台詞、しばらく整備部で流行ったんだよ」
「へぇ、そうだったんですか。私と同じ気持ちの人がたくさんいて嬉し――」
「熱血ぶりを笑われていただけだ。整備士に必要なのは知識と技術と責任感。恋愛感情はいらないな」
「異議アリです。過酷な航空業界で働くには、情熱こそ必要だと思います」
航空整備士なら機体に、パイロットや客室乗務員――CAなら空を飛ぶことに恋しているはず。
そう信じての反論はスルーされ、足早にドアへと向かう浅見の背を追う。
今日は同じチームなのだから置いていかないでほしい。
朝礼は終わっている。準備を整えた整備士から駐機場や格納庫などの持ち場に向かうところなのだが、直属の上司である整備部長の声が響いた。
「みんな、少し待ってくれ」
反射的に足を止めた浅見の背に、顔から突っ込んだ。