100日婚約なのに、俺様パイロットに容赦なく激愛されています
(私と飲みたくて自宅から遠いのにランウェイまで行ったのかも……。うーん、やっぱり違うか。気に入っているとは言われたけど、女性としてではないし。勝手に想像して照れるのはやめよう)
「理由はわかりませんけど、五十嵐さんが来店して助かったんです。あの時はストーカーに携帯を奪われそうだったので。本当に怖かったです」
湯崎の粘性のありそうな視線と一方的な会話運びを思い出し、鳥肌が立った。
長袖の腕をこすると、浅見に申し訳なさそうな目を向けられる。
「俺が一緒に行けばよかった。誘いを断ってごめん。通勤電車内で声をかけられる話を聞いていたのにな。ストーカーだとまでは思わなかったんだ」
「浅見さんのせいじゃないです。まさかランウェイで待ち伏せられていると思いませんでしたし、私も危機感が足りなかったので。自宅も把握されていて、引っ越した方がいいと五十嵐さんに言われたんです」
「その方がいいだろうな」
一旦、言葉を切った和葉は皿に残ったタルタルソースをご飯にかけて食べきり、濃いめの味噌汁を飲み干した。
浅見は麺を食べ終えて、汁をごくごくと飲んでいる。
暑さの厳しい屋外で働いているので、体が塩分を欲するのだ。
十二時に近づくと食堂内はどんどん人が増えてきて、隣の席が埋まった。
向かい側はまだ空いているが、周囲の込み具合を気にして声を落とす。
「理由はわかりませんけど、五十嵐さんが来店して助かったんです。あの時はストーカーに携帯を奪われそうだったので。本当に怖かったです」
湯崎の粘性のありそうな視線と一方的な会話運びを思い出し、鳥肌が立った。
長袖の腕をこすると、浅見に申し訳なさそうな目を向けられる。
「俺が一緒に行けばよかった。誘いを断ってごめん。通勤電車内で声をかけられる話を聞いていたのにな。ストーカーだとまでは思わなかったんだ」
「浅見さんのせいじゃないです。まさかランウェイで待ち伏せられていると思いませんでしたし、私も危機感が足りなかったので。自宅も把握されていて、引っ越した方がいいと五十嵐さんに言われたんです」
「その方がいいだろうな」
一旦、言葉を切った和葉は皿に残ったタルタルソースをご飯にかけて食べきり、濃いめの味噌汁を飲み干した。
浅見は麺を食べ終えて、汁をごくごくと飲んでいる。
暑さの厳しい屋外で働いているので、体が塩分を欲するのだ。
十二時に近づくと食堂内はどんどん人が増えてきて、隣の席が埋まった。
向かい側はまだ空いているが、周囲の込み具合を気にして声を落とす。