想箱

街は、しずかに

 街は、しずかに
 灯りが消えかけて
 ふたりの夢さえ
 眠ろうとしていた

 あなたのことを……
 そう言いかけて
 くちづけがそっと
 告げたのは

 言葉にならない
 おやすみ。

 もう、街は
 目を閉じようとしてる

 言葉にならない

 夢を残して
 

 星が、またひとつ
 どこかへ流れていく
 誰かがまた星屑を
 拾い集めている

 確かめるように
 重ね合った手の
 そのぬくもりでしか
 伝えられない
 
 言葉にできない
 心の音色

 もう,星は
 昨日に帰ろうとしてる

 言葉にできない

 願いを抱いて
 
 
 もう、街は
 目を閉じようとしてる

 言葉にならない

 夢だけを残して
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