想箱

黄昏が君を隠したら

黄昏が
水面を、木の葉を
その風に揺れる音さえも

金色に染めたなら

この僅かな瞬間(とき)
世界は輝きに満たされる

湖のほとり
佇む君の
風になびく髪の先まで

黄昏色に包まれて

心が眩しさで
目を細めるように

不安も
切なさも
この胸の
高鳴る鼓動さえも

その輝きに(くら)んで……

黄昏が
金色の光で
君を隠したなら

その表情を見えなくしたなら

やっと言えるだろうか
その言葉を
ずっと隠してきた
その心を

でも、君の面影は
いつまでも瞳の奥に残って

不安も
切なさも
その勇気さえも

眩しい光に包み込んで

僕の心のすべてを
ただ黄昏色に
染めていく

この瞬間(しゅんかん)
この世界のように

心のすべてを
ただ君だけの色に
黄昏色に

ただ染めていく




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