【完】恋情を拗らせた幼なじみ社長は、訳アリ令嬢を執愛している。
「これにもサインをしてほしい」
「……え?」
封筒からはA3用紙が出てきて【婚姻届】と印刷されていた。
それには、夫になる人の欄はすべて記入されており証人の欄はお父様の名前と彼の父の名前が並び書いてある。お互いに了承しているということで、あとは私次第だということ。
両親は断ってもいいからといっていたので私が断っても問題はないのだろうけど……私のことをわかっているからかそれとも碧さんだからか、あんなに拒否をしていた結婚に頷いてしまった。
「結婚、します……私、碧さんと結婚」
「本当!? ありがとう、よし、今から記入して明日提出しよう」
碧さんは私に何故かピッタリの指輪をはめると、まるでそうなるのを決まっていたかのようにホテルの一室に連れて行かれた。
そうして私は一室で婚姻届の妻になる人という欄を記入すると、なんでか印鑑が用意されてあったため印を押した。