【完】恋情を拗らせた幼なじみ社長は、訳アリ令嬢を執愛している。



「幻滅はしない。絶対。君の全てを愛してるんだ」

「……っ……」


 彼は再び熱の籠った瞳で見つめられてヒュッと吐息が出る。


「振袖脱がしていいかな」

「……っ、はい」


 上手に着付けられた振袖はあっという間に脱がされた。和装用の下着だから色気も何もないし、右側にある傷痕は灯があるからはっきり見えてしまっていると思う。


「碧さん、電気、消してください……っ」

「こんなに綺麗なのに?」


 そう言いながらも明かりを消してくれる碧さんは優しい。



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