【完】恋情を拗らせた幼なじみ社長は、訳アリ令嬢を執愛している。
『これ以上、彼を縛らないであげてほしい』
『彼もきっと私が好きなのよ』
『同情で一緒にいてくれるだけよ。あなたみたいな身分しか取りえないのに』
……と、つらつらと並べられた言葉。
それに無視を重ねていたけど次に何故か家の電話にかかってくるようになった。しかも、彼のいない時間に。
そんなに好きなら碧くんと直接話をすればいいのにと思う私は意地が悪い女なのかもしれないが……仕方ない。選ぶのは彼だし、彼に別れてほしいと言われない限りは別れることは出来ない。
彼女にとったら、私がか弱いお嬢様だと思っていたからかこんなに強かなんて思わなかったみたいで電話は鳴り止んだ。