【完】恋情を拗らせた幼なじみ社長は、訳アリ令嬢を執愛している。
「麗ちゃん、元気だった?」
「は、はい。元気です」
身体は元気だ。火傷の痕は、たまに思い出したようにピリピリと痛むけど……それ以外はとても元気。
だけど、傷痕がーなんて傷痕が出来るきっかけの彼に言えるわけがない。
「そっか、良かった」
「……碧さんは、元気でしたか?」
「あぁ。元気だよ。あれから俺は海外にいたから会いに行けなかったんだごめんね」
「そうなんですね、海外なんてすごいですね。さすがです」
私を避けてじゃなかったみたいで安心する。良かった……