4月1日、24時。
「侑莉、なんかつけてる? 甘い匂いがする」
「ママがくれた香水」
「その服もかわいいね、似合ってる」
「パパがくれたの」
こんな時間に、部屋着じゃなくて花柄のワンピースに香水なんて、臣が来るのを待ってたってバレバレだよね。
「髪も長くなったね。かわいい」
臣に見せたかったの。
臣にほめて欲しかったの。
臣に〝かわいい〟って言われたかったの。
臣はそれをぜんぶ、ちゃんと叶えてくれた。
だけどね、今はそれが全然うれしくないの。
いいんだよ? 無理しなくて。
「……ねえ臣」
「何?」
「臣って好きな子いるよね」
「……えっ!?」
臣がこんなに焦るなんて、めずらしい。
「急に何?」
「急なんかじゃないよ」
見ちゃったんだよ、わたし。
「いるでしょ?」
「……いるけど」
やっぱりね。
「耳まで真っ赤」
こんな臣、初めて見る。
「今年で最後にしよ? このお誕生日会」
「ママがくれた香水」
「その服もかわいいね、似合ってる」
「パパがくれたの」
こんな時間に、部屋着じゃなくて花柄のワンピースに香水なんて、臣が来るのを待ってたってバレバレだよね。
「髪も長くなったね。かわいい」
臣に見せたかったの。
臣にほめて欲しかったの。
臣に〝かわいい〟って言われたかったの。
臣はそれをぜんぶ、ちゃんと叶えてくれた。
だけどね、今はそれが全然うれしくないの。
いいんだよ? 無理しなくて。
「……ねえ臣」
「何?」
「臣って好きな子いるよね」
「……えっ!?」
臣がこんなに焦るなんて、めずらしい。
「急に何?」
「急なんかじゃないよ」
見ちゃったんだよ、わたし。
「いるでしょ?」
「……いるけど」
やっぱりね。
「耳まで真っ赤」
こんな臣、初めて見る。
「今年で最後にしよ? このお誕生日会」