4月1日、24時。
「12歳になった年だったと思うけど」

中学にあがる年。

「『誕生日おめでとう』って言ったら、『ありがとう』って言ってくれたけど……今にも泣きそうで」

思い出した。

「あんな顔されたら、おめでとうなんて言えなくなるよ。あんな悲しそうな顔見るくらいなら、嫌そうな顔された方がずっとマシ」

今年と同じだった年。

「だってあの年は……中学生になんてなりたくなかったから」

たまらなく嫌だった。

「他の人たちは、誕生日が1日違ったって同じ学年なのに」

一年のうちのたったの1日。

「わたしの誕生日が今日だから、臣より学年が上になっちゃって」


大っ嫌いな日。


「臣と違うところにいかなきゃいけなかったから」


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