4月1日、24時。

小学6年・臣

俺が小学六年だった年、侑莉は当然中学一年だった。

能天気な子どもだったし、侑莉だっていつも年上とは思えないくらいかわいかったから、何もわかってなかった。

二人とも小学生だったときと何も変わらないって思ってた。


『あ、臣!』

放課後、下校途中に侑莉に呼ばれて振り返る。
中学の制服の侑莉は知らない人みたいだったけど、めちゃくちゃかわいいとも思った。

だけど

『今帰り?』
『うん……』

『え? 誰? ユリの弟?』

侑莉のまわりには何人か友だちがいて

『ちがうよ。幼なじみなの』

『えー! ランドセルかわいい〜!』
『なんかもう懐かしいな』

男子もいて

『臣も一緒に遊ぶ?』

侑莉は全然気にしてないって感じだったけど、俺は自分のランドセルがめちゃくちゃガキくさくてダサい気がして恥ずかしかった。

『遊ばない』

みんな制服が大人っぽく見えたし、男子は背だって俺より高かった。

侑莉に置いていかれた気がして、すごく嫌だった。

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