4月1日、24時。
——『……嫌い。……臣なんて』
——『年下で、子どもっぽくて』
——『いじわるで』
——『大っ嫌い』
「いいよ。エイプリルフールだから。嘘だってわかってる」
そう言って、臣がまたわたしの顔を見る。
「だけどもう、エイプリルフールは終わったから、ちゃんとほんとのこと教えてくれない?」
まだちょっと、恥ずかしいけど。
「お誕生日おめでとう、臣。世界で一番、大好き」
笑顔で言えたわたしに、臣がやさしくキスをする。
「今まで生きてきた中で、最高のプレゼント」
彼はイタズラっぽく笑う。
「一年待ってて。もっと大人になって、絶対侑莉と同じ高校に行くから」
臣の言葉に、首を横に振る。
「大人になんてならないで。心配だから」
困り顔で言うわたしに、臣がまたキスをする。
髪、まぶた、ほっぺ、くちびる……
「ふふっ。くすぐったい」
4月1日、24時。
キスの雨。