4月1日、24時。
「臣、また背のびた?」

コクっとうなずく。

今日から中学三年生の幼なじみは、成長 (いちじる)しい。
なんて思ってたら、

「わっ! ちょっ……」

臣が急に抱きしめてくる。

「もう侑莉のこともすっぽり包みこめるよ」

大人びた声が耳の近くで響いてドキッとする。
だけど一瞬でおしまい。

「臣!」

ぐいっと彼の身体を押しのける。

「ここ、道の真ん中! 冗談でもそういうことしないで。もう子どもじゃないんだから」

臣は「ちぇっ」って顔をする。

「臣、どんどん女子に対する距離が近くなってるんじゃない?」

「え?」

「よくわたしに抱きつくし、学校でよく女の子と一緒にいる」

「あんなの友だちじゃん。二人きりでいることなんかないし、抱きついたりしないよ」

嘘つき。

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