4月1日、24時。
***

わたしと臣の家はとなり同士。
生まれた時からずっと臣がそばにいた。

年上ぶってるけど、ほんとは全然そんなことなくて、いつだって臣に助けてもらってる。

嫌いな食べ物だって
『ゆり、トマトきらーい!』
『たべてあげるよ』

一人でいたくなかったお留守番の時だって
『ぼくも、ゆりちゃんちにいてあげる』

なかなか馴染めなかった水泳教室だって
『行きたくない。だれもゆりと話してくれないんだもん』
『ならおれも水泳始める』

いつだって、臣に守られてる。

『どっちがお姉さんか、わからないわねえ』
『臣くんの方が大人だな。ははは』

まわりの大人たちだってそう言ってる。

だけど、そう言われるたびに思い知らされるの。

〝わたしの方が年上なんだ〟

って。

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