生きたくても生きられない君と生きたくないのに生かされる僕の一年間ノート

第6章 3月。 僕がいない間に…。〜交換日〜

3月31日 〜小児科〜
「いないなぁ。来ないつもりなのかな?この前、私が怒っちゃったから……。」 
「だいぶ待ったわね。精神科に行ってみる?押すわ、車椅子。」 
「うん。ごめん、お母さん。お願い。」 
〜精神科〜 
「すみません、この写真に写ってるこのひと、知りませんか?」 
「あー、今、隔離室に入っておられる方かな?」 
「えっ?どうして?何かあったんですか?」 
「私、新人でよくわからないんですけど、他の患者さんにノートを破られて殴り暴れたそうで……。」 
「あっ、そのノート、私のかもしれません。見せてくれませんか?」 
「はい!」 
ーー 
「これです。」 
「あー。やっぱりかー。」 
「主治医は、そのノートが心情を乱してよくない、と取り上げるつもりだそうです。中身も無断で主治医は見ているので、そのやりとりで出られないのが長引くと勝手に思います。」 
「これ、持って帰らせてください!代わりにこのさらのノートを。お願いします!」 
「本当は先輩たちと相談した方がいいんですけど、なくなったことにしておきます。」 
「どうしてそうしてくれるんですか?」 
「破れたノートがある限り、あの子の心が悲しみに暮れるのと、あとは、あなたに持っていてほしいから。まだ、書けるページも、残っています。内緒ですよ。」
「ありがとうございます!」  
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