エイプリルフール、貴方に嘘を



「2日の夜、吏音(りおと)の家で夜ごはん食べるんだったわ」

「え、そうなの!?よかったじゃん!」

「よくないわよ!」



茉小の言葉に、私は思い切り反論する。

茉小はあの悪魔のことをあんまり知らないのよ!



「会っただけで睨んでくるし、目があったら、『オレのこと好きなのか?』って聞いてくるし、手が触れたら『太った?』とか…とにかくデリカシーがないの!悪魔なのよ!!」

「でも、そのデリカシーのない悪魔が、和華乃は好きなんでしょ?」



茉小…

私がその手の話に弱いの知ってるくせに…



「で?結局和華乃はその悪魔のどこが好きなの?」

「わかんない、気づいたら好きだったし…」

「よくそれで十何年も持ったね、逆に尊敬するよ」

「…だって、さぁ、仕方ないじゃないの、好きになっちゃったものは」

「そーだねー」



心底興味なさそうな茉小。

興味ないなら聞かなきゃいいのに。

ハア、とため息をつく。

そうよね、好きになっちゃったんだもの…


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